設立の趣旨
最近の科学技術および生産技術の著しい発展に鑑みて、この中部レーザ応用技術研究会が中部地区を中心に平成2年5月14日に設立されました。
ご承知の通り、情報化社会の到来とともに多様化する社会システムが要求され、設計、材料、加工プロセス、性能評価等の点において、技術の対応も多様化してきました。
他方、20世紀の二大発明の1つであるレーザ技術の利用はこの10年間で著しく拡大しました。とくに、工業先進国では通信、情報処理、医療、材料加工、計測・検査、照明および科学に多種のレーザ機器を利用するようになりました。ここで、とくに取り上げる材料加工技術、計測・検査など生産技術においても、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマ(紫外線)
レーザ、半導体レーザが各種産業分野で適用されるようになりました。
自動車、工作機械、航空・宇宙、金属加工、セラミックスなどの産業の中核ゾーンである中部地区はまさにレーザ応用技術の中核であるとも言えます。 すでに研究開発されたレーザ加工法は従来法の延長にあるものばかりでなく、
「高エネルギーの光」という特性を使って初めて成し得た技術も多くあります。
レーザは「量子機械」とも呼ばれるように、その利用には科学的な知識が要求されます。他方、その材料加工、生産技術への応用には技術的な、現場的な知識が要求されます。すなわち、レーザ技術は自然科学と技術・技能的知識の密接な結びつきにより、大きな発展が期待される科学技術であり、よって、
研究者、技術者、技能者が一堂に集まり融合するところに大きな前進が望めます。
すでに、我が国は年間約2000台のレーザ加工機を生産するまでに成長し、 世界の約35%のレーザ加工機を利用しています。にもかかわらず、中部地区は、国際的にみた研究、開発、情報収集、交換、研究会等の研究・普及活動の点では東京や大阪に比べて低調なレベルにあります。
そこで、名古屋地区に上述の「科学技術の人材的融合の場」を提供し、多くの人が集い、近い将来に対して一層のレーザ応用技術の発展を促進しようと本研究会が当地区の主要な大学、官庁、企業の呼び掛けで設立されました。
国内外のレーザ科学技術に関する情報の収集・整理、専門家の特別講演、共同研究の促進、レーザ技術に関する人材育成、などを行い、この会がレーザ に関する情報・技術を受信および発信をする「NAGOYA LASER TECHNOPOLE」(名古屋レーザ・テクノポール)と発展すればと願っています。
作 成 :平成2年5月14日
修正・追加:平成15年4月1日 (赤字部分)